検査と技術2巻8号

1974年08月発行

病人と病気と病院

病歴室

著者： 吉岡昭正¹²

所属機関： ¹順大病院病歴室 ²順大医学教育研究室

ページ範囲：P.12 - P.15

文献概要

病歴とは何か
　病歴室というものを理解するためには，病歴（または診療録）とは何で，どのような役割と価値を持っているかをまず理解しなくてはならない．
　狭く考えれば病歴とはいわゆる患者カルテのことであるが，広義には患者診療に関する記録すべてを包含する概念で，カルテのみではなく，レントゲン，心電図，脳波その他いっさいの，患者診療にかかわる記録が含まれる．カルテを理解するには診療の道筋を思い浮かべるのがいちばん早い．