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文献詳細

雑誌文献

検査と技術2巻8号

1974年08月発行

文献概要

技術講座 血清

交差適合試験

著者: 藤原ムチ1

所属機関: 1東京女医大輸血部

ページ範囲:P.64 - P.65

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 交差適合試験とは,輸血をするにあたって受血者(患者)と供血者の血清(または血漿)と血球を互いに交差して反応させ,それぞれの血清(または血漿〉の中に相手の血球を凝集させる(ときには溶血反応)抗体が存在するか否かを,試験管内反応で調べる方法である.交差適合試験の方法としては,(1)生理食塩水法,(2)血清法,(3)間接クームス法,(4)酵素処理法の4つがある.交差適合試験はこの4つの方法を同時に実証できれば理想的であるが,かなりの時間がかかる.また検査法もただ1つの方法で絶対確実だという方法はない.
 理想をいえば,交差適合試験は受血者と供血者血液中にある抗体に対応する血液型因子が相手の血球中に含まれている時には,完全抗体でも不完全抗体でも検出しうるものでなければならない.したがってただ1法のみでこと足れりとすることは交差適合試験の目的を十分に果たしたとはいえない.受血者と供血者血液についてABO式血液型が同型で,Rh0(D)因子が一致したものについて交差適合試験を実施し,これで異常反応が認められなければ輸血は安全であると考えられている.しかしこれはあくまで交差適合試験に前記4つの方法を利用して,このすべてに対して,異常反応が認められない場合を指しており,ただ1法のみで適合とすることは危険である.輸血を安全に行うためには,交差適合試験の前段階として受血者と供血者血液について,不規則性抗体のスクリーニング検査が完全に実施されていることも重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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