icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術2巻9号

1974年09月発行

文献概要

技術講座 生理

シグナルとノイズ・6

著者: 石山陽事1 村崎義紀2 根岸勇2

所属機関: 1虎の門病院臨床生理 2慈大病院中検電気生理

ページ範囲:P.57 - P.59

文献購入ページに移動
《サンプル1》
 1.解答
 村崎 サンプル1でまず目につくのが,前頭部に上向きの陰性の大きな基線の揺れがあり,1秒か2秒おいて下向きの波形,これに伴ってやはり両側性に中心部に少し振幅が低くなっていますが同じ波形が見られます.もう1つは,前頭部に左右同じくらいでだいたい1秒くらいの持続で速い現象がはいっています.また,周期的に右の後頭部から,特に目立つのが後側頭部あたりにとがった波がずっとリズミックに出てますね.この3つだと思います.
 まず最初の大きな揺れは開眼による基線の揺れだと思います.まず開眼して,それで1秒か2秒おいて閉眼しています.単極誘導だと正しく開閉眼を行った場合は,開眼で陰性の,閉眼で陽性の振れを示し,これに伴ってα波が消失します.ですからこれはここで1回開閉眼をしたための雑音だと思います.次の速い波は,開眼した時に筋電図がはいったのではないかと思います.開眼によって前頭筋が収縮しますので,大きく目をあけたりすると前頭部に局在して筋電図が混入してくる場合があります.もう1つの周期的なとがった波は必ず心電図と一致していますので,心電図が脳波上に混入しているのだと思われます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?