icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻10号

1992年09月発行

文献概要

検査ファイル

胎盤由来抗凝固蛋白質(PAP-I)

著者: 阪田光彦1

所属機関: 1大阪大学医療技術短期大学部

ページ範囲:P.832 - P.832

文献購入ページに移動
 PAP-Iは,ヒト胎盤から分離精製された抗血液凝固作用を持つ蛋白質なので,placental anticoagulantprotein(PAP)と名づけられた1).PAP-Iの分子量は約36kdで319個のアミノ酸からできており,約70個のアミノ酸残基から成る4つの繰り返し構造を持っている.その一次構造は,抗炎症性蛋白質として注目されているlipocortin-IとIIに分子全領域にわたって高い相同性(〜50%)を有し,PAPがlipocortin/annexin族であることを示している.われわれは,その後,よく似た蛋白質を3種類胎盤より分離しており,それぞれ,PAP-II,III,IVと呼んでいる2).PAP-Iは,これらの中で一番多く含まれており,1つの胎盤から約30mgを得ることができる.この蛋白質は,多くの研究者によって精製されており,カルホバインディンI3),PP44)などと名づけられているが,呼び名をalmexinVと統一することになった.
 PAP-I/annexin Vの抗凝固作用は,次のとおりである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?