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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻10号

1992年09月発行

文献概要

検査ファイル

赤血球のPEP保存法

著者: 濱崎直孝1 神志那壽代23

所属機関: 1福岡大学医学部臨床検査医学講座 2福岡大学病院臨床検査部 3福岡大学病院臨床輸血部

ページ範囲:P.835 - P.835

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 保存期間中に起こる赤血球機能低下の原因は赤血球内の代謝物アデノシン3リン酸(ATP)や2,3-ジホスホグリセリン酸(2,3-DPG)が保存期間中に減少するためである.
 ホスホエノールピルビン酸(phosphoenolpyruvicacid;PEP)は生体内で最も高エネルギーの解糖系中間産物であり,例外的に細胞膜を透過する2).赤血球浮遊液にPEPを加えるとPEPは赤血球内へ透過し代謝され,ATPと2,3-DPGを産生する.PEP透過の至適条件は赤血球保存の至適条件に似ているので,PEPを含む赤血球保存液で赤血球を保存すると,保存6週間目の赤血球でも,新鮮血にほぼ相当する酸素運搬機能を持つようになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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