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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻10号

1992年09月発行

文献概要

トピックス

鍍銀染色で染まる線維の超微形態と生化学

著者: 鹿毛政義1

所属機関: 1久留米大学医学部第一病理

ページ範囲:P.842 - P.843

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 鍍銀標本で光顕的に黒く染色される細線維は好銀線維(argyrophilic fiber)と呼ばれ,淡褐色に染まる膠原線維とは区別される.PAS染色では好銀線維は糖蛋白質を伴うため陽性に染色される.好銀線維は,線維が互いに分岐吻合して網状に連なり存在することから,細網線維(reticular fber)あるいは格子線維(latticefiber)とも呼ばれる(図1).
 好銀線維は胎生期に最も早期に出現する線維で,主に線維芽細胞によって形成される.好銀線維は肝,リンパ節,脾臓,骨髄などの網内系臓器に豊富に分布し,組織の骨格を作る線維として重要である.好銀線維は結合織以外の組織にも存在し,例えば内皮細胞の基底膜の細網板(reticular lamina)(図2)を形成し,下方の結合織と連なる.好銀線維は脂肪細胞,平滑筋細胞,横紋筋細胞などの細胞間の間質にも形成され,かごのようにこれらの細胞を包む.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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