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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻11号

1992年10月発行

文献概要

技術講座 輸血

不規則性抗体検査(スクリーニング法)

著者: 平野武道1

所属機関: 1慶應義塾大学病院輸血センター

ページ範囲:P.885 - P.891

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サマリー
 輸血は,ABO式に始まってABO式で終わるといわれているように重要な検査であり,誤判定は,直ちに輸血後溶血性副作用として出現する.このことからどこの医療施設でも必須の検査としてRh0(D)の検査とともに実施している.しかし血液型は多種類あるにもかかわらず,輸血前にその他の血液型を検査することが少ない.この結果,頻回輸血,妊娠などによって免疫され抗体が産生されることがある.この抗体に対応する抗原を考慮せず再度輸血を実施すると遅延性の溶血性疾患,および血液型不適合妊娠の対応を遅らせることがある.これらの原因となる抗体を事前に,血液型検査と同時に抗体スクリーニングを実施し,抗体の有無を確認し対応することにより,輸血後溶血性副作用防止と血液型不適合妊娠の早期対応,緊急輸血の際に対処が容易となる.また大量輸血の際に供血者間の交差適合試験を省略化できることと,血液の不必要な準備を避けることができ,限りある人的資源の有効利用につなげることができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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