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音響インピーダンス
著者: 田中元直1
所属機関: 1東北大学抗酸菌病研究所電子医学部門
ページ範囲:P.929 - P.929
文献購入ページに移動 “音響インピーダンス”は超音波診断法,特にエコーグラフィーにおいてエコー画像の良否やエコーの強弱を左右する因子としてよく知られるようになってきた言葉である.本来“インピーダンス”は,電気通信工学で交流回路を取り扱うとき,電流の通りやすさを示す「抵抗」に相当するもののことである.この考えかたを機械的振動とその伝搬を扱う音響工学の領域に取り入れ,音の伝わりやすさを表す指標としているのが“音響インピーダンス”である.その定義は,無限に広い均質媒質中を平面波として音波が伝わっていくとき,その音波の「音圧」と媒質の「体積速度(速度×面積)」との比とされており「ρc/s」で表している(ここでρは密度,cは音速,sは音波が通過している面積である).このうち「ρ・c]は単位面積音響インピーダンスと呼ばれ,これを固有音響インピーダンスあるいは特性インピーダンスとも呼んでいる.”音響インピーダンス“といわれるものは,通常この「ρ・c」を指している.この”特性インピーダンス"は,電気通信工学の領域においては,一様な導伝性のある線路を正弦波電流が一方向に流れていく場合に,その伝わりやすさは任意の点における電圧(Vejθ)と,そこを流れる電流(I・ejφ)との比で決まる値として定義されている.
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