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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻11号

1992年10月発行

文献概要

トピックス

血小板の細胞内ナトリウムイオン濃度

著者: 松野一彦1 小林邦彦1 対馬千秋2

所属機関: 1北海道大学医学部臨床検査医学 2北海道大学附属病院検査部

ページ範囲:P.936 - P.938

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はじめに
 生体内のナトリウム(Na)は,約97%が細胞外液中に存在し,水分の保持,浸透圧や酸・塩基平衡の調節に必須な陽イオンである.これに対して細胞内のナトリウムイオン(Na)は,細胞外に比べおよそ1/4から1/6の低い濃度に保たれており,この細胞内外の濃度勾配が栄養分の取り込みやCa2+など他のイオンの制御に関係し,細胞機能の発現に重要な役割を果たしていると考えられている.したがって血清Naの測定とともに細胞内のNa濃度測定も細胞機能の重要な情報を与えてくれるはずである.しかしながら,これまで簡便な細胞内Naの測定法がなかったため,その意義については十分理解されてはいない.現在までに用いられている細胞内Naの測定法は,細胞を破壊して炎光光度法や原子吸光法などで測定する方法や,NMR法を用いるものである.前者は遊離のNaではなく総Naを測定するもので,刺激による濃度の変化を経時的にとらえることが困難であり,後者は測定に特殊な装置を必要とし,大量の試料を必要とするなどの欠点を持っていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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