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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻12号

1992年11月発行

明日の検査技師に望む

美しき流れの源をみつめよう

著者: 吉田浩1

所属機関: 1福島県立医科大学検査部

ページ範囲:P.980 - P.980

文献概要

 「美しき流れのみなもと(源)をみつめて…」.King ofJipang信長がNHKテレビドラマの中で何度か語らせられている.信長のイメージが一変した人も多いだろう.なかなか良い表現である.いずれの世界にも源があり,流れがあるが,医療における美しき流れの源は,考えるまでもなく人の命である.私事になるが,内科学教室に21年間在籍し,検査部に移って早くも7年目に入るが,どっぷりとつかってしまうと美しき流れの源がだんだん遠くなってしまいそうである.大学病院という特殊な職場かもしれないが,患者に対し直接の責任を持たない(持たせられない)ことは精神的には楽である.大学病院では教育,診療,研究を行っているが,病院での最大使命は患者の命を守る診療でなければならない……が,現実はどうであろうか.臨床教室でも基礎研究に多くの時間を費さなければならないのがわが国の伝統的風潮で,それらの成果のほうがより高く評価されている.
 検査部職員の最も重要な仕事は正確なデータを出すことである.正確なデータとは被検者の体内の状態を直接示すものでなければならない.そのため,TQCの重要性が論じられてきているが,現実は,多くの問題がある.検査部では検体を受け取ったときから責任を持ち,たとえそれらが不適当な検体でもベストを尽くしているというのが現状であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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