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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻12号

1992年11月発行

文献概要

技術講座 微生物

下痢原性大腸菌の検査法

著者: 伊藤武1

所属機関: 1東京都立衛生研究所乳肉衛生研究科

ページ範囲:P.981 - P.987

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サマリー
 下痢原性大腸菌は毒素原性大腸菌,組織侵入性大腸菌,病原大腸菌・血清型および腸管出血性大腸菌(ベロ細胞毒素産生性大腸菌)の4つのカテゴリーに分類される.いずれも下痢や腹痛など胃腸炎を主症状とする.海外旅行下痢症では毒素原性大腸菌による感染症が多いことから本菌を考慮した検査を実施する.
 患者糞便をDHL寒天やマッコンキー寒天あるいはSIB寒天に直接塗抹し,37℃,18〜24時間培養する.出現した大腸菌を疑う集落をTSI寒天,LIM培地,シモンズのクエン酸塩培地および普通寒天に接種し,確認試験を実施する.大腸菌と同定された菌株について,血清型別試験や毒素学的試験により下痢原性大腸菌の決定を行う.腸管出血性大腸菌O157による感染では著明な下血と感染後に続発して溶血性尿毒症性症候群を併発することがあり,重篤な症状を呈するので,早期に同定しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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