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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻12号

1992年11月発行

検査ファイル

新しい好中球走化因子

著者: 向田直史1

所属機関: 1金沢大学がん研究所薬理部

ページ範囲:P.1024 - P.1024

文献概要

 白血球に対して走化活性を有する因子としては,1960年代後半から,細菌成分由来のfMet-Leu-Phe,活性化補体第5成分(C5a),ロイコトリエンB4,血小板活性化因子(platelet-activating factor)などが知られていた.しかし,これらの因子はいずれもすべての種類の白血球に対しても走化活性を持つために,炎症の種類・時期によって病巣で認められる白血球の種類が異なることを,これらの因子の存在だけで説明することは困難であった.
 ここ数年,炎症惹起性の刺激によって産生される一群の蛋白が,遺伝子工学的手法などによって発見されてきた.これらの蛋白は,コア蛋白の分子量が7〜8kdと推定されていて,ヘパリンと結合する性質を持つ1).さらに,これらの蛋白は非常によく保存された位置にシステイン残基を有することから,類似した立体構造をとると予想されている.これらの蛋白のうち,インターロイキン8(IL-8)・groは,好中球に対して走化活性を有することが明らかとなった.これらのうちではIL-8が,その生物活性および各種疾患での動態についての解析が最も進んでいる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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