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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻12号

1992年11月発行

文献概要

講座 英語論文を読む・23

母体の血清マーカーを用いたダウン症候群の出生前スクリーニング

著者: 弘田明成1

所属機関: 1駒沢病院内科

ページ範囲:P.1028 - P.1029

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 (抄録)背景:胎児ダウン症候群の全体の約35%は,全妊娠婦の第2三ケ月期に母体の血清アルファフェトプロテインを測定することによって検出することが可能である.最近のケースコントロール調査の結果では,血清中の非結合エストリオールと絨毛ゴナドトロピンを測定することにより,この検出率を約2倍に引き上げることができることを示している.ダウン症の胎児を妊娠している母親では血中エストリオールが異常低値に,また絨毛ゴナドトロピンが異常高値になることを示唆している.
 方法:われわれは予期的に妊娠の第2三ケ月期の女性および青年女子25,207名をスクリーニングし,3つの血中マーカーをすべて測定するとともに母体年齢も含めたアルゴリズムに従い,それぞれに胎児ダウン症になる危険率を算出した.この手順に従って,1,661名(6.6%)の妊婦が最初に第2三ケ月期における胎児ダウン症の危険性が1対190以上の確率で出現すると判断し,さらにそのうちの962名(3.8%)に妊娠週数を確認した後に羊水検査による染色体分析を勧めた.妊娠週数は最終月経周期の初日を基準にして算定し,可能であるときは超音波検査で決定した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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