文献詳細
技術講座 病理
走査電顕の病理診断への応用—膀胱癌
著者: 柴田雅朗12 白井智之2 福島昭治1
所属機関: 1大阪市立大学医学部第一病理学教室 2名古屋市立大学医学部第一病理学教室
ページ範囲:P.1075 - P.1080
文献概要
走査電顕的に膀胱移行上皮癌の表層細胞表面を観察すると,特徴ある形態学的変化がみられる.その中でも長短不ぞろいの切株状の微細絨毛pleomorphic microvilliの出現はとりわけ重要である.膀胱癌の組織異型度(G1〜3)にほぼ相関して,この絨毛の出現数が増加し,その形態も多様化する.このような変化は初期癌にも観察され,走査電顕を尿細胞診に簡便に応用できれば,膀胱癌の早期発見・診断が可能となりうる.
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