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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻13号

1992年12月発行

文献概要

検査データを考える

クレアチニンの異常

著者: 高光義博1 平岡敬介1 中川清彦1 中西裕治1

所属機関: 1兵庫医科大学腎・透析学

ページ範囲:P.1107 - P.1112

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はじめに
 クレアチニンは血中,尿中濃度とも日常の臨床でよく測定される検査項目であり,主に腎機能の評価のために用いられる.
 クレアチニンは筋肉内でクレアチンおよびクレアチンリン酸の非酵素的脱水反応により産生される低分子の窒素化合物であり,尿素や尿酸などと同じく代謝最終産物である.クレアチンの約98%は筋肉にあり,クレアチニンの産生量は筋肉量に比例し,食事,運動,カタボリズムの影響をあまり受けず,各個人でほぼ一定である.血中に入ったクレアチニンは腎糸球体から濾過され,尿細管で再吸収を受けることなく排泄される.尿細管での分泌も軽微で,クレアチニンの排泄は糸球体機能に依存しており,そのクリアランスは糸球体濾過値(glomerular filtration rate;GFR)に近い値となる.これらのことより血清クレアチニンの正常値は筋肉量に比例するが,異常値に最も関与するのは腎の糸球体機能といえる.それゆえ血清クレアチニン値は腎機能評価の指標として用いられ,さらに詳しい評価にはクレアチニンクリアランスが測定される.しかし,いずれの検査も疾患特異性を示すものではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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