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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻13号

1992年12月発行

文献概要

講座 英語論文を読む・24

ヒト血清中プロインスリン測定の迅速・高感度ラジオイムノアッセイ

著者: 弘田明成1

所属機関: 1駒沢病院内科

ページ範囲:P.1128 - P.1129

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 ラジオイムノアッセイ法はヒト血清中プロインスリンの測定に広く用いられている.しかし,多くのRIAはプロインスリンを血清から抽出せずに定量するのに感度が十分でなかったり,あるいはまた長いインキュベーション時間を要したりする.われわれは測定感度が3.5pMであるRIAを開発し,これにより日常的にプロインスリンを48時間以内に測定することができるようになった.このことを可能にするため室温下での非平衡結合反応を利用し,さらに遊離プロインスリンと結合プロインスリンの分離にPEGを加えた第二抗体沈殿法を用いた.ヒトC-ペプチド-アガロースによって山羊抗血清の原血清から特異的な抗プロインスリン血清を吸着した.プロインスリンは25.6pMでトレーサーの50%を置換したが,ヒトインスリンやC-ペプチドは1μMの濃度においてもトレーサーを置換することができなかった.われわれはさまざまなプロインスリンの切断誘導体とこの抗体との交差反応性を検討した.B鎖-Cペプチド切断誘導体(≤50%交差反応性)はA鎖-Cペプチド切断誘導体(<5%交差反応性)よりも置換する力が強力であった.しかし,56-60部位で切断されたすべての誘導体はいずれもこの抗血清には反応しなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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