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肝細胞癌と肝硬変
著者: 諸傑1 町並陸生1
所属機関: 1東京大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.107 - P.107
文献購入ページに移動 図左上は分化型の肝細胞癌で,細胞密度はやや高く,腺管様構造もみられる.図右上は,図左上と同じ部位を画像解析装置による計測のため肝癌細胞の核を緑色に変換したもので,この部分の核面積平均値は約44.843μm2である.残念ながら本計測では類洞内皮の核も拾ってしまったので,肝細胞癌の核面積の平均値が実際より低く出てしまった.一方,図左下は同一標本の非癌部の肝硬変組織で,図右下は図右上と同様に組織計測のため核を緑色に変換したもので,核面積平均値は61.250μm2である.腫瘍総論上は,癌細胞の核のほうが,正常細胞の核よりも大きいと考えるのが常識であるが,実際に組織計測を行ってみると,本症例のように,正常細胞の核のほうが癌細胞の核より大きいことが明確になり,組織計測を行うことは意味のあることと考えられる.一方,核の密度は計測を行うまでもなく,一見して肝細胞癌のほうが高い.
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