検査と技術20巻2号

1992年02月発行

技術講座 一般

尿中ウイルス感染細胞の見かた

著者： 岩信造¹ 由谷親夫¹

所属機関： ¹国立循環器病センター臨床検査部

ページ範囲：P.143 - P.147

文献概要

サマリー
　尿細胞診材料中に出現するヘルペスウイルス，サイトメガロウイルス，ヒトパピローマウイルス，ヒトポリオーマウイルスの感染細胞のパパニコロウ染色所見について述べた．
　パパニコロウ染色所見からウイルス疾患の推定がある程度可能であり，ウイルス感染細胞の有無の情報が臨床への診断や治療に役立つことが多い．また，各種ウイルス疾患の確認のための酵素抗体法，in situ hybridization法，一部，電顕所見についても述べた．ウイルス感染細胞の特徴所見を熟知することが悪性細胞との鑑別にもなり，さらに，一般検査における尿沈渣の超生体染色にも有用である．