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血液型関連試薬の国際標準化
著者: 松田利夫1
所属機関: 1東京都赤十字血液センター
ページ範囲:P.175 - P.176
文献購入ページに移動 国際輸血学会(ISBT)と国際血液標準化委員会(ICSH)は合同で,1984年に不規則抗体検出のための酵素法に関する研究班,1986年に抗ヒトグロブリン試薬に関する研究班を組織した.これらの検査法は非常に複雑な性質があるため,検査室間でかなりの変動が出てしまう.そこで,研究班で国際標準品の調製と検査法の国際標準化に関する検討を進めてきた.1989年には米国食品医薬品局(FDA)もこの研究班に加わった.
標準品として,1986年にISBT/ICSH国際標準抗ヒトグロブリン試薬が1),1989年に不規則抗体検出用標準酵素(パパイン)2)とこれらの試薬の検定用として1国際単位標準抗Dが選定された.検査法としては,酵素法は一段法ではなく二段法を行うべきであること.さらに,用いる酵素は蛋白質分解酵素活性を測定することにより濃度を標準化すべきであることを決定している.日本では,一般にプロメリンを0.5%(w/v)に調製し,検査に用いている.しかし,市販のブロメリンは製造元やロットにより酵素活性や精製度が大きく異なっている3).また,製品によってはかなりの量の不溶性沈殿物が残るものがあることから,重量%による濃度では反応に差が生ずることは当然なことと思われる.しかし,いまだ酵素活性測定の国際標準法は決まっていない.
標準品として,1986年にISBT/ICSH国際標準抗ヒトグロブリン試薬が1),1989年に不規則抗体検出用標準酵素(パパイン)2)とこれらの試薬の検定用として1国際単位標準抗Dが選定された.検査法としては,酵素法は一段法ではなく二段法を行うべきであること.さらに,用いる酵素は蛋白質分解酵素活性を測定することにより濃度を標準化すべきであることを決定している.日本では,一般にプロメリンを0.5%(w/v)に調製し,検査に用いている.しかし,市販のブロメリンは製造元やロットにより酵素活性や精製度が大きく異なっている3).また,製品によってはかなりの量の不溶性沈殿物が残るものがあることから,重量%による濃度では反応に差が生ずることは当然なことと思われる.しかし,いまだ酵素活性測定の国際標準法は決まっていない.
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