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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻3号

1992年03月発行

文献概要

検査ファイル

睡眠紡錘波

著者: 所司睦文1 原田秀樹1

所属機関: 1北里大学東病院脳波検査室

ページ範囲:P.241 - P.241

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[1]正常睡眠紡錘波
 睡眠紡睡波は主にstage2から3に出現し,多くの場合,規則正しい正弦波様で漸増漸減が認められる律動波である.周波数は11〜15Hz(主に12〜14Hz)で,持続時間は0.5〜2secである.また通常,中心・頭頂優位に出現し,特に頭頂部において振幅が大きく出現頻度も高い.ただし,α波の分布と異なり前頭極・前頭部・側頭部にもみられかなり広汎性に出現する.左右大脳半球の相当部位では,ほぼ対称でその周波数・振幅・位相などが等しい場合が多い.横方向に双極導出すると正中線上で位相の逆転が観察されることが多い.
 明確な睡眠紡錘波は受胎後51週(生後3か月頃)には完成し,若年者に著明にみられ,高齢ではやや周波数,振幅を下げかつ出現量は減少する.乳児期の睡眠紡錘波は紡錘状でなく陰性相・鋭波様のμリズムに類似し乳児型紡錘波と呼ばれ,通常1歳半から2歳頃までみられる.なお,左右非同期に出現する睡眠紡錘波は2歳頃まで異常とはいえない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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