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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻3号

1992年03月発行

文献概要

トピックス

類血管腫型悪性線維性組織球腫

著者: 恒吉正澄1

所属機関: 1九州大学医学部第二病理

ページ範囲:P.244 - P.245

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 悪性線維性組織球腫(malignant fibrous histiocytoma;MFH)は軟部組織に発生する肉腫の中でも最も頻度が高く,中高年に好発する肉腫として知られている.組織学的には①通常型(花むしろ・多形型),②粘液型,③黄色肉芽腫型,④巨細胞型,⑤類血管腫型に分類されている.類血管腫型MFHは1979年にEnzingerが最初に提唱したもので,最もまれで,小児および若年成人に生じ,予後が良好なものである.組織学的には血管腫様の構造を備え,その周囲には線維性組織球性増殖がみられ,リンパ球などの著明な浸潤を伴う特有な像を呈する.1990年にCosta & Weiss1)らは108例をもとにした報告で,死亡したのは遠隔転移による1例のみで,本腫瘍は悪性よりむしろ良性と悪性の中間群に属するのがよいとしている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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