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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻5号

1992年05月発行

文献概要

トピックス

レムナント様粒子

著者: 野間昭夫1

所属機関: 1岐阜大学医学部臨床検査医学教室

ページ範囲:P.446 - P.447

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 ヒトアポリポ蛋白Bには小腸で合成されカイロミクロンを形成するアポB-48と,肝で合成された超低比重リポ蛋白(VLDL)や低比重リポ蛋白(LDL)に存在するアポB-100とがあることはよく知られている.このように異種のリポ蛋白に存在するところから,一方のみに反応するモノクローナル抗体の作製が試みられている.日本抗体研究所が開発した抗ヒトアポA-Iモノクローナル抗体と抗ヒトアポB-100モノクローナル抗体の両者を固相化した免疫アフィニティ混合ゲルと血清とを反応させた際に,そのいずれの抗体とも反応しない分画中のリポ蛋白を最初リポZと命名した.これを種々検討した結果,レムナントリポ蛋白を多く含むことよりレムナント様粒子(remnant like particle;RLP)と呼ばれるようになった.
 カイロミクロンとVLDLは由来こそ異なるが,ともにトリグリセリドに富むリポ蛋白であり,血中でリポ蛋白リパーゼの作用を受けて,トリグリセリドやリン脂質が水解されて粒子径が小さくなるとともに,アポB(カイロミクロン由来のものはアポB-48,VLDL由来のものはアポB-100)を有し,いまだにトリグリセリド・リッチであり,その他コレステロールエステルとアポEを比較的多く含んだレムナントリポ蛋白に変化する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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