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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻6号

1992年05月発行

文献概要

増刊号 尿検査法 I.総論 1.尿の生成と排泄

尿の生成と排泄

著者: 酒井紀1 栗山哲1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学第2内科

ページ範囲:P.8 - P.13

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はじめに
 腎臓は尿を生成することにより体内の過剰な物質を排泄し,必要な物質を保持する重要な働きをしている臓器である.腎は,臓器血流と酸素消費量のもっとも多い臓器であり,腎には心拍出量の約20%の血液が流れている.糸球体では1日に150〜180lの血液が濾過されているが,濾過された原尿のうち尿として排泄されるのは1〜1.5l程度(1日尿量)である.
 腎臓は,尿を生成し体内の代謝産物を排泄することが重要な機能のひとつであるが,単に老廃物の排泄器官だけでなく常に内部環境の恒常性を維持するという高度な働きをしている.腎の働きは大きく分けると,①排泄機能,②水・電解質代謝調節,③細胞外液量と浸透圧調節,④酸・塩基平衡の調節,⑤内分泌機能の5つになる.これらの尿の生成,排泄機構は,糸球体で糸球体濾過液(原尿)をつくるための濾過機能と,尿細管での再吸収と分泌機能という3つの基本機能からなっている.腎はこれらの機能を維持するため,解剖学的,生理学的に大きな特徴を持っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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