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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻6号

1992年05月発行

文献概要

増刊号 尿検査法 I.総論 4.腎機能検査の意義

(3)近位尿細管

著者: 鈴木誠1 若林良則1 川口良人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学第2内科

ページ範囲:P.44 - P.46

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 近位尿細管(PT)は原尿の70〜80%を再吸収する.Naは細胞間隙の受動輸送のほかに細胞膜を通過する機構として,Naチャンネル,Na共輸送,Na交換輸送の3つの経路で再吸収される(図1).
 溶質のうちPO4,ブドウ糖,アミノ酸はこの共輸送によってNaとともに細胞内に運ばれる.HCO3は原尿の85%が再吸収される.Na/H交換輸送で管腔内にHが分泌されH2CO3となり炭酸脱水素酵素によりCO2とH2Oに分解される.分泌されるHは細胞内においてH2CO3から与えられるので,残ったHCO3-はNa共輸送により血管側へ再吸収される.総和としてHCO3を再吸収することになる.またPAHは2カルボン酸交換輸送によって血管側から管腔側へ排泄される.薬剤は血管側と管腔側のpHの違いにより非イオン型が受動輸送により管腔側へ移行する.また管腔側による能動輸送(ATP-dependent multidrug transporter)によっても排泄されると考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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