icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻6号

1992年05月発行

文献概要

増刊号 尿検査法 II.各論 2.尿糖

(3)その他の糖

著者: 佐々木禎一1

所属機関: 1札幌医科大学附属病院検査部

ページ範囲:P.72 - P.73

文献購入ページに移動
はじめに
 尿中のグルコース以外の糖の量は,表11)のように微量で,先天性代謝異常や糖吸収試験の場合などのほかは日常検査の対象となることは少ない.しかし負荷試験後に,尿中のガラクトース(肝疾患),キシロース(消化不良症候群,腎不全),キシリトール(肝硬変,五炭糖尿症),果糖(良性果糖尿症,遺伝性果糖不耐症),マルトース(腎不全),ショ糖(シュクロース,イソマルトース;吸収不全症)などの排泄量を測定することがある.またガラクトキナーゼ(EC 2.7.1.6)やUDP-グルコース4-エピメラーゼ(EC 5.1.3.2)の異常症や,キシリトールレダクターゼ(xylitol reductase;Xyli-R,EC 1.1.1.10)欠損症,遺伝性果糖不耐症,先天性家族性乳糖不耐症などの代謝異常症では,それぞれガラクトース,キシリトール,果糖および乳糖(Lact)の測定が,実施される.そのほか,妊娠中および授乳中の婦人では乳糖が,腎不全でマルトースを補液した後にはマルトースが,そして高血糖時には果糖が検査の対象となることが多い.
 最近糖尿病や腎不全などの症例では,尿中の1,5-アンヒドログルシトール(1,5-anhydroglucitol;1,5-AG)の増減が,また各種の癌,胃潰瘍あるいは肝硬変の際の尿中フコース量の増加も注目されている2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら