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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻6号

1992年05月発行

文献概要

増刊号 尿検査法 II.各論 6.電解質

(1)ナトリウム,カリウム,クロール

著者: 高橋勝幸1

所属機関: 1日本大学医学部附属板橋病院臨床検査部

ページ範囲:P.106 - P.110

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はじめに
 健康状態における尿中へのナトリウム(Na),カリウム(K),クロール(Cl)の排泄量はその摂取量におおむね比例するが,腎の糸球体濾過率や尿細管の再吸収・排泄に関与する各種ホルモンの分泌,血液の酸・塩基平衡などのバランスが失われる病的状態においてはその排泄量が変動するとされている.
 血液中のNa,K,Clは,そのほとんどが糸球体から濾過されるが尿細管で再吸収され,尿中にはNa,Clが1%程度,Kは10%程度が排泄される.Kについては排泄のほとんどが尿細管の分泌によるものとされている.したがって,腎障害あるいは血液の電解質バランスを崩すような疾患,電解質成分の摂取量により尿中のNa,K,Cl濃度は変動する.Na,K,Clの排泄および再吸収は,副腎皮質機能や酸・塩基平衡に支配されており,尿中Na,K,Clの測定は各種疾患の鑑別に重要となっている.また高血圧症と密接な関係があるとされている食塩摂取量の推定ができることから予防医学的にも重要とされていることより,その測定意義は高い1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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