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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻6号

1992年05月発行

文献概要

増刊号 尿検査法 II.各論 7.胆汁成分

胆汁成分

著者: 眞重文子1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.116 - P.119

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ビリルビン
 ビリルビンは,そのほとんどが赤血球の崩壊により生じたヘモグロビンから網内系細胞で産生される.生成されたビリルビンは,血液中でアルブミンと結合して肝に運ばれ,肝細胞でグルクロン酸抱合型となり,その大部分は胆汁中に排泄される.腸管に排泄された抱合型ビリルビンは,腸内細菌によって脱抱合され,次いで還元されてウロビリノゲンとなり,さらに酸化されてウロビリンとなる.ビリルビン,ウロビリノゲン,ウロビリンの多くは糞便中に排泄されるが,一部は血中に入り,大循環を経て腎から尿中に排泄される1)
 血清ビリルビンは,ジアゾ試薬を加えるだけで反応する直接ビリルビンと,メタノールなどの反応促進剤を加えると反応する間接ビリルビンとに分類される.直接ビリルビンはグルクロン酸のモノおよびジ抱合型で,間接ビリルビンは非抱合型ビリルビンである.近年,血清ビリルビンを高速液体クロマトグラフィーで分画するとα(非抱合型ビリルビン),β(モノグルクロン酸抱合型ビリルビン),γ(ジグルクロン酸抱合型ビリルビン),δ(δビリルビン:アルブミンと共有結合している)の4分画に分画され,δビリルビンの約80%がジアゾ試薬と直接反応し,直接ビリルビンに含まれることがわかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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