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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻6号

1992年05月発行

文献概要

増刊号 尿検査法 II.各論 8.ポルフィリン体

ポルフィリン体

著者: 大門真1 佐々木英夫1

所属機関: 1山形大学医学部第三内科

ページ範囲:P.120 - P.123

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 尿ポリフィリン体はポルフィリンの前駆物質であるδ-アミノレブリン酸(ALA)とポルホビリノゲン(PBG),およびウロポルフィリン(UP),コプロポルフィリン(CP)の4種が主なものである.これらは図1に示したヘム合成経路の中間物質(ALA,PBG)およびその代謝産物(UP,CP)であり,尿中に主に排泄され,ヘム合成の盛んな造血系と肝の異常で増加を示す.尿ポルフィリン体は健常者では微量であり,増加した場合はすべて病的と考えられる.尿ポルフィリン体の増加する疾患を表1に示したが,著増を示した場合はポルフィリン症か鉛中毒であり,他の疾患では軽度の増加にとどまる.
 ALAとPBGは無色であり,これらが増加しても尿の色は原則として変化しないが,PBGは放置すると酸化されて褐色のポルホビリンとなるため尿の褐色調を強める.UPとCPは紫赤色であり,増加すると尿を特有のブドウ酒色にする(ポルフィリン尿).尿ポルフィリン体が多ければその色により肉眼でも判断できるが,種々の定性法および定量法にてその増加を確認しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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