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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻6号

1992年05月発行

文献概要

増刊号 尿検査法 II.各論 10.酵素

(2)NAG

著者: 風間武1

所属機関: 1千葉大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.132 - P.133

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はじめに
 N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ(N-acetyl-β-D-glucosaminidase;NAG,EC 3.2.1.30)は組織細胞のライソゾームに存在する加水分解酵素のひとつで,ムコ多糖類や糖蛋白の分解に関与している.
 NAGは組織中に広く分布し血清中にも存在するが,腎では近位尿細管上皮細胞に多く含まれ,尿中に排泄されるNAGはほとんどが尿細管由来と考えられている.腎障害により尿中NAG排泄量は増加し,腎不全,糸球体腎炎,ネフローゼ症候群などの各種腎疾患で活性値が上昇するほか,腎移植後の拒絶反応の早期診断や,アミノグリコシド系抗生物質の腎毒性の指標としてもその有用性が報告されている.尿中NAGアイソザイムには通常A,B分画があり,糸球体障害を中心とする疾患ではA分画,間質性腎障害ではB分画の上昇傾向がみられる1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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