icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻6号

1992年05月発行

増刊号 尿検査法

II.各論 15.中毒性薬物

(3)催眠薬

著者: 高須伸克12 藤井真澄3 高松邦樹3

所属機関: 1聖路加国際病院救急部 2前:川崎医科大学救急医学 3川崎医科大学救命救急センター検査室

ページ範囲:P.158 - P.159

文献概要

はじめに
 わが国における急性中毒の発生頻度は,軽症例を含めると年間13万〜40万人に達する.急性中毒の原因物質には医薬品,農薬,工業用品,家庭用品など,さまざまなものがある.特に入院を要する重症急性中毒は医薬品によるもの(その多くは自殺企図例)がもっとも多く,医薬品のなかでも催眠薬による中毒が総数2,360件中880件(37.3%)ともっとも多い(急性中毒物質に関する全国アンケート調査より).
 急性中毒の治療は,①体内への薬毒物の吸収の阻止(経口摂取:胃洗浄・腸洗浄・活性炭投与,体表面への付着:水洗),②血液中からの薬毒物の除去(血液浄化法:血液透析・血液吸着・血漿交換など),③拮抗薬の投与(有機リン剤:PAM,シアン:チオ硫酸Na,亜硝酸Na,重金属:BAL,CaNa2EDTA,麻薬:レバロルファンなど),④呼吸・循環管理を中心とした全身維持療法が行われる1).もちろんこれと並行して,原因物質の薬毒物分析を行う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら