icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻6号

1992年05月発行

文献概要

増刊号 尿検査法 II.各論 15.中毒性薬物

(4)アルカロイド

著者: 東海林洋子1 柳川明1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター

ページ範囲:P.160 - P.163

文献購入ページに移動
 アルカロイドは植物体内に含有される塩基性含窒素環化合物の総称である.微量で強力な生理活性を示すが,毒性も概して強いとされている.表1にアルカロイドならびに関連化合物の分類を示しておく.数百種類あるアルカロイドのなかでも臨床で繁用されているのはモルヒネであり,鎮痛剤としては代表的な薬剤となっている.その反面,身体的,精神的依存性があるため一般には「麻薬」という総称で呼ばれ,大きな社会問題にもなっている.しかし,日常の臨床の場においては,癌性疼痛や各種疾患に起因する激痛には,今なおその強力な薬理効果から,しばしば用いられているのが現実である.麻薬のうち実際に臨床に用いられているのは麻薬性鎮痛薬と局所麻酔薬である.
 日本薬局方に記載されている麻薬は,①ケシから採取される麻薬およびヘロイン(アヘンアルカロイド21種類),②コカ葉から取れるコカアルカロイド3種類,③合成麻薬62種類に大別できる.なお1%以下のコデイン,ジヒドロコデイン,またはこれらの塩類を含有する薬物はこの範疇からは除外されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?