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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻6号

1992年05月発行

文献概要

増刊号 尿検査法 II.各論 19.ホルモンおよび関連物質 4)副腎皮質関連

(3)コルチゾール

著者: 相良祐輔1 岡谷裕二1

所属機関: 1高知医科大学産科婦人科学教室

ページ範囲:P.214 - P.215

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はじめに
 副腎皮質からは主に3種類のステロイドホルモン,すなわちグルココルチコイド,ミネラルコルチコイドおよび性ステロイドが分泌されている.コルチゾール(cortisol)はグルココルチコイドの主要ホルモンであり,副腎皮質束状層から分泌され,成人では1日産生量は15〜25mgに及ぶ.コルチゾールの合成と分泌は下垂体のACTHにより調節され,ACTHの分泌は視床下部のCRF(corticotropin releasing factor)により調節されている.CRF,ACTHは血中コルチゾール濃度によって調節され,いわゆるネガティブフィードバック機構を構成している.
 血中分泌されたコルチゾールは,その90〜95%がCBG(corticosteroid binding globulin)とアルブミンに結合し,残り5〜10%が遊離コルチゾールとして存在する.血中コルチゾールの大部分は肝,腎で代謝され二重結合およびケト酸の還元により不活性化され,さらにグルクロン酸抱合,硫酸塩として尿中へ排泄される.尿中へ遊離型として排泄されるコルチゾールは,副腎で分泌されるコルチゾールの1%以下と少ないが,蛋白結合型コルチゾールは腎の糸球体を通過できないので,尿中に排泄されるコルチゾール量を測定すれば血中の遊離型コルチゾール濃度の指標となりうる.また,尿中コルチゾール排泄量はコルチゾール産生量とよく相関することが知られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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