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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻6号

1992年05月発行

文献概要

増刊号 尿検査法 II.各論 19.ホルモンおよび関連物質 5)副腎髄質関連

(3)ホモバニリン酸

著者: 吉村学1

所属機関: 1京都府立医科大学臨床検査医学教室

ページ範囲:P.224 - P.225

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はじめに
 ホモバニリン酸(homovanillic acid;HVA,3-methyl-4-hydroxy phenyl acetic acid)はドーパならびにドーパミンの最終代謝物であり,これらアミンの増減する疾病の診断に利用される.ドーパはドーパミンおよびメラニンの前駆体であり,またドーパミンもノルアドレナリンやアドレナリンの前駆体であるのみならず,それ自体がカテコールアミンの一種であり(図),生体内の主要な神経伝達物質またはホルモンとして,中枢神経系,交感神経ならびに末梢組織において種々の生理活性を示す.
 血中,尿中,髄液中HVA濃度測定は体内でのドーパまたはドーパミン放出・代謝の動態を反映することから,中枢および交感神経機能の評価を行うことができるのみならず,クロム親和細胞腫や悪性黒色腫の診断に有用である.近年,乳幼児の神経芽細胞腫スクリーニング検査として,尿中HVA濃度測定は広く行われている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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