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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻6号

1992年05月発行

文献概要

増刊号 尿検査法 II.各論 19.ホルモンおよび関連物質 7)胎盤機能関連

(2)妊娠反応

著者: 伊吹令人1

所属機関: 1群馬大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.237 - P.239

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はじめに
 ヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotropin;hCG)は胎盤から分泌される性腺刺激ホルモンで,受精卵が着床すると絨毛から分泌されるので妊娠かどうかの判定に用いられる.1960年にhCGの免疫学的測定法が開発されるまでは,煩雑で時間のかかる生物学的方法によるほかはなかったので,妊娠かどうかの判定に使用するよりは,胞状奇胎などの異常妊娠の鑑別や,絨毛性疾患の治療効果の判定などに使用されることが多かった.
 ところが,hCGの免疫学的測定法が次第に進歩するとともに感度は次第に上昇し,3,000〜5,000IU/lの感度しかなかったものから,現在は0.2IU/lのものまで開発され,測定に要する時間も3時間から2〜3分まで短縮された.したがって,現在では患者さんに尿をとってもらい,あらかじめ結果を知って診察し,かつこの結果を加味して患者さんと話ができ,また必要な検査を先に進められるようにもなった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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