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増刊号 尿検査法 II.各論 24.尿細胞診
(3)スクリーニングの進めかた
著者: 西国広1 藤利夫2
所属機関: 1国立療養所南福岡病院臨床検査科 2三信会原病院臨床病理部
ページ範囲:P.300 - P.301
文献購入ページに移動尿細胞診は,腎・尿路系(一部生殖器)における良性疾患(ウイルス感染症,結石症,腎炎,膀胱炎など)や悪性腫瘍(膀胱癌,尿管癌,腎癌,前立腺癌,横紋筋肉腫など)の診断のみならず,職業性膀胱癌の早期発見のためのマススクリーニングや,尿路系腫瘍再発の有無を知るためのフォローアップの手段としてもその有用性が高く評価されている.
上記疾患を詳細に鑑別診断するにあたっては,スクリーニングの進めかたおよび注意点を熟知することである.それにはまず,鏡検前に重要な情報として患者の性別,臨床所見,検体の種類(自然尿,カテーテル尿,洗浄尿など),標本作製手技(塗抹法,固定法,細胞の保存性,染色法など)の優劣などを知っていなければならない.そして,全視野をスクリーニングするとともに,個々の細胞ばかりでなく,細胞の相互関係,出現パターン,背景などの所見をすべて考慮し,観察する必要がある.
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