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heavy chain amyloidosis
著者: 黒田雅彦1 岡輝明1 町並陸生1
所属機関: 1東京大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.540 - P.541
文献購入ページに移動アミロイドーシスとは,アミロイド物質と呼ばれる異常蛋白が身体諸臓器の組織間質に沈着し,機能障害を起こす疾患群である1,2).アミロイドーシスには,明らかな原因疾患なしに発症する群(原発性アミロイドーシス)のほか,慢性感染症や関節リウマチなどの疾患に続発する群(続発性アミロイドーシス),多発性骨髄腫に合併する群のほか,家族性に発症する遺伝性の病型もある.さらに,加齢に伴って特定の臓器に沈着する場合やAPUD系の臓器・組織およびそれらの組織由来の腫瘍組織内に沈着することもある.
アミロイド物質は主に,特有のβ-構造を有し,絹の構造に類似した特異な線維蛋白からなる3).この線維蛋白は種々の前駆物質から形成されることがわかってきているが,共通の成分として,プロテオグリカン(主にプロテオヘパラン硫酸)および非線維性の蛋白質であるアミロイドP成分(AP)が少量であるが(6〜14%)含まれている4).
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