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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻8号

1992年07月発行

文献概要

病気のはなし

EBウイルス感染症

著者: 菊田英明1

所属機関: 1小児愛育協会附属愛育病院小児科

ページ範囲:P.558 - P.562

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サマリー
 Epstein-Barrウイルス(EBV)との関連が示唆されている疾患としては,伝染性単核症(IM),バーキットリンパ腫(BL),上咽頭癌(NPC),慢性活動性EBV感染症,Gianotti症候群,virus-associated hemophagocytic syndromeなどがあり,Hodgkin病,川崎病などもEBVの関与が疑われている.また,免疫不全症(先天性,後天性)患者で見られるEBVによるリンパ球増殖疾患の日和見発症も重要視されてきている.EBVの診断法としては,EBV関連抗体価測定,蛍光抗体補体法によるEBV核内抗原の検出,DNAプロープを用いた核酸ハイブリダイゼーションによるEBV DNA検出などがある.さらに近年,polymerase chain reactionによりウイルスDNA検出の感度が向上し,ウイルスDNAの検出が臨床診断に果たす役割は大きくなってきた.
 EBVの特徴の1つは,大多数の人が感染を受け,その後は体内に終生潜伏感染することである.日本においては,2〜3歳までに80〜90%が感染を受け,時にその初感染時に伝染性単核症を引き起こす.もう1つの特徴は,ヒトリンパ球トランスフォーメーション能を有することで,バーキットリンパ腫,上咽頭癌との間に病因的関連性が示唆されている.EBVとの関連が示唆されている疾患,その診断のために必要な検査法について解説した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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