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エリスロポエチン値
著者: 平嶋邦猛1 別所正美1
所属機関: 1埼玉医科大学第一内科
ページ範囲:P.597 - P.602
文献購入ページに移動赤血球産生が血中の酸素濃度による骨髄の直接反応でなく,体液性物質により支配されているとの考えが,CarnotとDeflandreにより1906年,貧血家兎の血清を正常家兎に注射したとき,赤血球数が増加する実験成績から導き出された.彼らは,この未知の物質をhemopoietineと名づけている.しかし,この実験には再現性がないため研究に進歩が見られなかった.
1950年代になると,1950年,Reissmannのラットのparabiosisの実験,1953年,Erslevの貧血家兎血漿大量連続注射による網赤血球数の著増実験,1954年,Stohlmanの動脈管開存症での骨髄観察成績の3大実験報告があり,赤血球産生調節物質の存在は疑いを入れない事実となった.しかし,純化したエリスロポエチンを得るには多年の研究が必要であった.
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