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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻8号

1992年07月発行

文献概要

検査ファイル

PCNA染色

著者: 黒川和男1 辻本正彦1

所属機関: 1大阪警察病院研究検査科

ページ範囲:P.605 - P.605

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はじめに
 腫瘍の悪性度や予後が腫瘍細胞の増殖能とよく相関することが知られている,近年,BrdU(bromodeoxyuridine),Ki-67,PCNA(proliferating cell nuclearantigen)などが細胞増殖を示すマーカーとして報告されている.これらに対するモノクローナル抗体も市販され,組織切片上で証明できるようになった.中でもPCNAはホルマリン固定,パラフィン包埋標本で検出可能なため,過去の検体についても検討でき,比較的簡単に行えるという利点があり注目されている.現在市販の抗PCNA抗体には19A2(American Biotech)とPC10(Novocastra Laboratories)がある.
 歴史的には,1978年にMiyachiらが全身性エリテマトーデスの患者の自己抗体に対応する抗原をPCNAと命名したが,これは1981年,Bravoらが発見したcyclinとも同一のものであることがわかった.また1984年にLeeらが発見したDNAポリメラーゼδ補助因子とも一致することがわかり,その後PCNAの解明が進み,全容が明らかになりつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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