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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻8号

1992年07月発行

トピックス

リコンビナントヒトトロンボモジュリン

著者: 新名主宏一1

所属機関: 1鹿児島大学医学部附属病院輸血部

ページ範囲:P.611 - P.612

文献概要

 トロンボモジュリン(thrombomodulin;TM)は,血管内皮細胞(endothelial cell;EC)をはじめとしていくつかの細胞で産生され,抗凝固作用や細胞・組織の発生・分化促進作用など,生体のホメオスターシスを保持するうえで重要な機能を担う蛋白である1).とりわけ,その抗凝固作用は強力かつユニークであり,血栓形成反応のkey enzymeであるトロンビン(T)とEC膜上において強い親和力で結合することによりTの多様な凝固促進作用(フィブリン形成作用,凝固第V,VIII因子活性化作用,血小板活性化作用など)を著しく減弱させるのみならず,TのプロテインC(PC)活性化能を爆発的に(約2,000倍)増強させ,活性化PCによる活性化第V,VIII因子(T産生の増幅因子)の不活化を強力に促進させる.すなわち,本来著しく“向凝固的”なTを“抗凝固的”性質に変換させる強力な凝固制御蛋白であり2),その製剤化は従来のアンチトロンビンIIIやPC製剤と同等ないしそれ以上の抗血栓作用が期待されるが,筆者らは実験的血管内凝固症候群(DIC)に対するリコンビナントヒトTM(rTM)の血栓抑制効果について検討し,期待どおりの抗血栓作用を有することを確認したので紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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