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文献詳細

雑誌文献

検査と技術20巻9号

1992年08月発行

技術講座 生化学

血清フコース濃度測定法

著者: 浅見直1

所属機関: 1新潟大学医学部小児科学教室

ページ範囲:P.693 - P.698

文献概要

サマリー
 血清糖蛋白側鎖として存在するフコース濃度測定法とその臨床的意義について述べる.血清中正常結合型フコース濃度はMadhumitaらは成人8.9±0.6mg/dl,Winzlerらは8.6±0.56mg/dlと報告している.健康小児では9.1±3.1mg/dlで,成人の値よりやや低めであった.口腔癌,乳癌,子宮頸部癌,卵巣癌,特発性ネフローゼ症候群などで,その血清濃度上昇が報告されている.
 本法による結合型フコース濃度の上昇は1種類あるいは数種類のフコース含有糖蛋白が血中に増加していることだけを示す所見であり,血中に増加した糖蛋白の種類は知りえない.フコースは簡便に測定できる血清中化学物質であり,種々な悪性腫瘍のステージや予後の判定に役立つと考えられる.おそらくは同様の糖蛋白マーカーである血清シアル酸と似た動きを示すのであろうが,まだデータが乏しく今後の研究に期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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