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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻1号

1993年01月発行

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トピックス

イミペネム耐性緑膿菌

著者: 辻明良1

所属機関: 1東邦大学医学部微生物学教室

ページ範囲:P.80 - P.82

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 イミペネム(imipenem)はβ-ラクタム剤のうちカルバペネム系に属する初発の抗菌剤である.本剤の抗菌力の特徴はグラム陽性菌,グラム陰性菌に幅広い抗菌スベクトルを有し,Xanthomonas maltophilia以外の菌種に強い抗菌力を示す.特に緑膿菌に対しては既存のβ-ラクタム剤の中では最も強い.市販されてすでに5年以上経過しているが,イミペネム耐性緑膿菌の出現はどのようになっているであろうか.図1は1991年に臨床分離された緑膿菌58株に対する抗緑膿菌剤の抗菌力である1),MIC50,MIC90で比較したとき,イミペネムのMIC50は1μl/ml,MIC90は2μl/mlで,同系のメロペネム(meropenem:未発売)に比べ,1段階劣るものの,他のβ-ラクタム剤(ペニシリン系,セフェム系,モノバクタム系)の中では最も強い.アミノグリコシド系のトブラマイシン(tobramycin)に比べ,MIC50は同等で,MIC90(32μg/ml)では優れている.ブレイクポイントを16μl/ml以上とするとイミベネムの耐性率は3.4%である.小栗らは1990年臨床分離緑膿菌のイミペネム耐性菌は4.6%にみられ,増加傾向にあると報告している2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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