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AFPアイソフォームとその意義
著者: 石塚英夫1
所属機関: 1日本大学医学部附属駿河台病院内科
ページ範囲:P.842 - P.843
文献購入ページに移動 α-フェトプロテイン(AFP)は典型的な“癌胎児性蛋白”であり,原発性肝細胞癌(HCC)の重要な腫瘍マーカーである.当初はHCCに特異的であると考えられていたが,RIAなどの高感度の測定法が導入されるとともに急・慢性肝疾患や肝以外の悪性腫瘍などでも陽性となることがわかり,HCCに対する特異性は失われた.しかし,肝外腫瘍や急性肝疾患は,画像診断や一般生化学検査などで容易に鑑別できるので,実際に臨床診断のうえで問題となるのは,慢性肝炎や肝硬変(LC)などの慢性肝疾患でAFPが陽性となる場合である.すなわち,それが炎症→壊死→再生の機序の中で産生されたものなのか,HCCの併発に伴うものなのかを鑑別することが必要である.この点に関し従来から,AFP値の高さや単位時間当たりの上昇率など,量的な面から鑑別する試みがなされているが,いずれも満足すべきものとはいえない.
ところが,AFPには何種類かの異性体(アイソフォーム)が存在することが最近明らかとなり,これを解析することによって両者を鑑別できるようになった1,2).
ところが,AFPには何種類かの異性体(アイソフォーム)が存在することが最近明らかとなり,これを解析することによって両者を鑑別できるようになった1,2).
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