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病気のはなし
MRSA感染症
著者: 増田義重1
所属機関: 1東京都老人医療センター感染症科
ページ範囲:P.866 - P.873
文献購入ページに移動MRSAの出現は早く,1961年にさかのぼるが,その後の医療の高度化に伴う易感染宿主の増加,グラム陰性桿菌に対する抗菌力増強を主眼とした抗菌薬の開発とその汎用,さらに日本では院内感染対策の遅れにより,全国的に広がり社会問題化している.
MRSA感染の臨床像のスペクトラムは幅広く,個々の症例に対する抗菌薬による治療の必要性は慎重に検討する必要がある.またいったん感染症として発症した場合,有効な治療薬が少なく,副作用の多い薬剤のため,治療に困難をきたす場合がある.
このためMRSA感染対策は重要であり,そのためには,施設内の臨床検体からのMRSAの分離状況のみならず,環境のMRSAによる汚染状況,抗菌薬の感受性率とその変遷など,施設内のMRSA全般についての把握が必要となる.
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