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けんさアラカルト
症状緩和医学とターミナルケア
著者: 後明郁男1
所属機関: 1箕面市立病院麻酔科
ページ範囲:P.894 - P.894
文献購入ページに移動 症状緩和医学(palliative care medicine)は,癌終末期やある種の神経筋疾患(筋萎縮性側索硬化症:ALSなど)の終末期のように,現時点では治癒療法の効果がもはや期待できない,しかも身体的・精神的な症状がしばしば極めて深刻である患者の幸福を願って,そのような病態にある患者の症状緩和を一義的な目的として近年発達してきた臨床医学の一分野である.従来,単なる対症療法と呼ばれ,原因療法より一段低く,時には有害にすらみられ,十分な研究も実践もなされなかった分野だが,癌患者の急増や神経筋疾患の社会問題化を受けて,その必要性が認められ発達してきた.
近年,ターミナルケアについて関心が高まっているが,症状緩和医学(医療)はターミナルケアを実践する際,基本的に重要な手段でもある.症状の適切な緩和なしには,精神的なケアも社会的な支援も意味をなさないからである.症状緩和医学とターミナルケアは,表裏一体の関係にある.
近年,ターミナルケアについて関心が高まっているが,症状緩和医学(医療)はターミナルケアを実践する際,基本的に重要な手段でもある.症状の適切な緩和なしには,精神的なケアも社会的な支援も意味をなさないからである.症状緩和医学とターミナルケアは,表裏一体の関係にある.
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