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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻11号

1993年10月発行

文献概要

技術講座 微生物

コアグラーゼ陰性ブドウ球菌の臨床的意義

著者: 竹森紘一1 横田英子1 澤江義郎2

所属機関: 1九州大学医学部附属病院検査部 2九州大学医療技術短期大学部

ページ範囲:P.895 - P.900

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サマリー
 ブドウ球菌の中で臨床材料からよく検出される菌種はS.aureusとS.epidermidisである.S.aureusはコアグラーゼ陽性の病原性の明らかなブドウ球菌として知られている.一方,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌の代表的菌種であるS.epidermidisも多くの材料から分離されるが,中でも血液からの分離菌では最も高頻度に検出され,多剤耐性株が多い.近年,体内留置カテーテルなどが使用されるようになり,それらの人工機材にS.epidermidisが付着してスライム産生からバイオフィルムを形成するため,菌血症や敗血症を引き起こすことがある.特に感染性心内膜炎などで問題となっている.基礎疾患を有するなど生体防御能の低下したcompromised hostではコアグラーゼ陰性ブドウ球菌もopportunistic infectionの起炎菌として見逃すことのできない菌である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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