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僧帽弁DDR
著者: 吉田清1
所属機関: 1神戸市立中央市民病院循環器センター内科
ページ範囲:P.935 - P.935
文献購入ページに移動当初はこの指標は僧帽弁狭窄における弁口面積を評価する指標として極めて重要視された.事実,僧帽弁口面積が縮小すればDDRは低下する(図2).しかしながら,上述したごとく,DDRは僧帽弁口面積のみならず他の因子,例えば,左室コンプライアンス,心拍出量,心拍数などに大きく影響を受けることが知られている.また,石灰化が強く,弁の可動性が減少している例では,僧帽弁DDRから予測されるよりも僧帽弁口面積が大きいことも指摘されている.さらに,測定部位により値が異なることがあり注意が必要である.例えば,後交連部付近に局在性病変が存在すればこの部位でのDDRは低下することになる.したがって,断層法やドプラ法が発達した現在では僧帽弁口面積の計測法としての重要性は少なくなっている.
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