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病気のはなし
クリプトコッカス症
著者: 前崎繁文1 田中研一1 河野茂1
所属機関: 1長崎大学医学部第二内科
ページ範囲:P.960 - P.966
文献購入ページに移動クリプトコッカス症は酵母状真菌であるCryptococcus neoformansの感染によって発症する深在性真菌症である.C.neoformansは2変種,5血清型が存在し,生育環境や病原性に違いがある.クリプトコッカス症の診断は真菌学的に局所から菌を分離するか,ないしは病理学的に菌の存在を認めることによって診断される.本症における血清学的診断法は,感度,特異性ともに優れ,極めて有効な補助診断法である.臨床的には無症状にて胸部X線の異常で発見される例が多く,胸部X線では空洞を有することが特徴である.治療としては抗真菌剤の投与が行われるが,基礎疾患を有する患者に発症する続発性の症例では予後不良となることも経験され,抗真菌剤の併用療法が試みられている.
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