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文献詳細

雑誌文献

検査と技術21巻12号

1993年11月発行

文献概要

生体のメカニズム 脂質代謝・11

コレステロール代謝とHMG-CoA reductase inhibitorの作用機序

著者: 桂川敬太1 寺本民生1

所属機関: 1帝京大学医学部第一内科

ページ範囲:P.1017 - P.1021

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はじめに
 コレステロールはリポ蛋白質や細胞膜の重要構成成分である.また,各種ステロイドホルモンや胆汁酸の前駆物質としての役割を有し,生体にとって極めて重要な物質である.その生合成は図1)に示したように,アセチルCoAを基点として3-hydroxy-3-methylglutaryl(HMG)-CoA還元酵素を律速酵素とする20以上の酵素反応により形成される.人体には約100〜150gのコレステロールが含有されており,その約80%は,生合成に依存し,残る20%は食事由来と考えられている.血中ではコレステロールはリポ蛋白として存在し,30%が遊離型,残る70%はエステル型として運搬され,各種臓器において上記のように利用されている.このようにコレステロールは生体にとって必要不可欠であるが,過剰に存在すると虚血性心疾患などの動脈硬化性病変を引き起こす.本稿では生体内コレステロール代謝について述べ,またコレステロールを低下させる薬物として注目されているHMG-CoA還元酵素(HMG-CoA reductase inhibitor)についてその作用機構を中心に述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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