文献詳細
文献概要
トピックス
迷走神経刺激によるてんかんの治療
著者: 朝倉哲彦1 中村克巳1
所属機関: 1鹿児島大学医学部脳神経外科学教室
ページ範囲:P.1035 - P.1036
文献購入ページに移動しかし,てんかん発作の発現には興奮系と抑制系の絡み合いが関与している以上,ここで抑制系の補強という考えが生まれても当然である.薬理学的にも企図されているところであるが,外科的には特定の抑制系を刺激することになる.そこで以前から抑制系の賦活による方法も行われていた.小脳歯状核—赤核—視床—大脳皮質運動野を結ぶ経路に障害が起こると企図振戦をみることが知られている.この系を刺激・強化すれば異常運動の制御が可能になるであろう.Cooper1)は小脳半球上に慢性電極を植え込み,これを刺激して発作をコントロールしようとしたのである。しかし往年のことであり,刺激部位・刺激装置の不備,症例の選択が不十分,などから期待されたほどの成果は得られなかった.
掲載誌情報